創造性にあふれる中小、ベンチャー企業を顕彰する東京商工会議所の「第6回勇気ある経営大賞」(協力・フジサンケイビジネスアイ)の顕彰式典が3日、東京都目黒区の目黒雅叙園で開かれ、大賞に選ばれたエリオニクス(東京都八王子市)と、大和合金(同板橋区)・三芳合金工業(埼玉県三芳町)に岡村正会頭(東芝会長)から表彰状とトロフィーが贈られた。
超微細加工・分析装置メーカーのエリオニクスの本目(ほんめ)精吾社長は、「技術大国の一端を担うわれわれモノづくり企業にとって、今後、事業を拡大する上での励みになった」と受賞の喜びを語った。エリオニクスは、主力製品の電子ビーム描画装置で、世界で最も細い5ナノ(1ナノは10億分の1)メートルの線幅を描画できる機器の開発に成功した。ナノ技術の研究に欠かせない電子ビーム描画装置では最高機種と評価され、シェアトップを握る。若手社員を新製品開発分野に計画的に登用していることも受賞理由となった。
特殊銅合金製造メーカー大和合金と三芳合金工業の萩野茂雄社長は、「中長期的に事業を伸ばしていくために『頑張れよ』と、はっぱがけになった」とあいさつ。大和、三芳の両社は、発がん性がある有害物質のベリリウムを用いず、飛行機車輪部分などに使う強度の「コルソン系銅合金」を実用化した。素材から製品までを一貫して自前で製造できるのが武器で、小ロットや短納期の受注にも柔軟に応じることで他社と差別化を図り、成長を続けてきた。また、外部役員に元大学教授を迎え定期的な技術研修会を開いたり、大学などへ社員を派遣するなど若手技術者の育成に努めていることも評価された。
実行委員長の吉野浩行副会頭(ホンダ相談役)は「長年にわたり、自らの得意分野で技術、ノウハウに磨きをかけるという地道な努力を続けた結果が今回の受賞企業の特徴だ。また人を大事にし社員の能力を最大限引き出しながら満足度を高めている。これらがターゲットとする市場で強い地位を築き上げることに結び付いた。今後の中小企業の歩むべき方向性を考える上で参考になる」とたたえた。
このほか、優秀賞には化学分析装置製造メーカーの日本分析工業(東京都瑞穂町)、電子応用装置製造メーカーのマルコム(東京都渋谷区)、工業用センサー製造メーカーのメトロール(東京都立川市)、金属系廃棄物再資源化処理サービスのリーテム(東京都千代田区)の4社が輝いた。特別賞には左官・タイル工事業の原田左官工業所(東京都文京区)が選出された。
「勇気ある経営大賞」は、厳しい経営環境の中で、革新的あるいは創造的な技術・技能や経営手法を発揮し、独自性のある製品・サービスを生み出している企業を発掘し顕彰する制度。これを通して、後に続く中小企業に目標と勇気を与え、経済活性化につなげることを目的としている。第6回となる今年は、114社が応募した。
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